同じ敷地でも設計者が違えばプランも変わる実例
いざ、皆さんが設計のプロを相手にプランニングを進めてみますと、例えばそれが規格住宅であれば〝自由設計〟でありながらも細かいルールや規制、決められた中からしか選べない設備や決まった工法などから本当の自由でないケースも多くありますが、実際に経験してみると〝自由〟と言いながら売る側の都合のいい家づくりであり、しかもそれらが安く見えるように簡略化されているだけで売る側は安全率を含めているのでしっかり同性能同仕様で比較すると意外にも高かったりもします。
また分譲や建売などでは、ほぼプランは変えることができないことが多く、その〝自由〟とは、クロスや設備機器の色などが選べるというケースもあったり、あなたが広い空間を望んでいてある部分の壁がなかったらどれだけすっきりだろうかと感じて「この壁をなくしてほしい」と望まれても〝必要です!〟と言われれば、プランの良し悪しもわからない消費者は、プランや工法を検討することなく、仕方がない・・・とあきらめる方も多いようです。
古家を建て替えをする場合などのケースでは、その家づくりをするパートナーの選択は、慎重にされるのですが、建築条件付きなどであれば、施工する会社も選択できないし、ホームページすら持たないのでよくわからない会社があなたの家を建てたりしますが、その土地が気に入っているということだけで、家を建てる会社の選択に関しては、不思議と仕方がないと思うのか、とても無関心になったりします。
もちろん、その設計者が設計力のない不動産会社の担当者であっても、その設計者すら選べない建築条件付きの土地もあったりしますが、20年以上も住宅ローンを組んだりして多額の費用を払う消費者として、その土地が気にいったからと言って、本当にこんな粗雑な考えの住まいづくりでいいのかをもう一度よくお考えいただきたいと思っております。
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さて、敷地が同じでも、設計する人が変われば、その考えや思いは、それぞれ違うものになるということをこのページではご覧いただきましょう!
これは、ハウスネットが前社でネットワーク活動していた際に各登録店である工務店の共同チラシを作製する際に5人の建築家の方々に同じ敷地に対しての提案をしていただいた時のプランで、ん?というプランや好き嫌いや否定できる部分なども色々あろうかと思いますが、その点はさておき、じっくり見て楽しんでください。
比較するとよくわかるのですが、プランに関してお好みもありますし、正解も間違いもないのでほんと判断はむずかしいといえ、その見極めは、もちろんセンスもありますが、設計者の建て主への理解度だといえるでしょう。
ですので、このページで皆さんに何を伝えたいかというと、同じ敷地という条件の元、同じように設計をお仕事にされている方であっても、よくできているプランからウンチクが多い割に本当にプロの設計士なの?という方まで様々なプランが出されるということでありますが、この基本となるプランニングについての善し悪しの判断(ジャッジ)をはじめて家づくりをする素人である消費者が判断しなければいけないという現在の家づくりが本当に正しいのか?それでいいのか?という点が現在の課題でもあり問題点でもあるといえます。
見た目はおさまっていても、立面のデザインも関係してきます。もちろん風や光、隣地の窓や視線などの具合なども考慮しなければいけません。それら様々な要因に建て主の希望が加味されたプランニングを何回かの打合せを兼ねて構築していかなければいけません。
それが、プランニングというものなのです。
では、同じ敷地で5人の建築家のプランと設計のポイントなどと共にご覧ください。
簡単解説:1階の無駄なスペースが多い 奥さんの家事動線が悪い
簡単解説:全室明るいが 凹凸が多くコストが一番かかる
簡単解説:面積の割に広さが感じられない 階段部分が筒抜け
簡単解説:階段の位置以外これもよくできているが、子供が巣立った後が心配。
簡単解説:和風好きには最適だが、奥の部屋は明るくはない
ちなみにこの土地を買われた方が選んだ設計士は、4番目の育みの家の設計士でありますが、プランは大幅変更となりました。