私の不動産の“失敗”の経験より 〜その1
私自身のこれまでの不動産会社との具体的な接触(賃貸のぞく)は、新婚時代の3LDKのマンションの購入時とその売却時、そして現在の家の購入時の3度で3階ともそれぞれ違う不動産会社でありますが、残念ながらどこの会社も担当者もそれっきりで、その後に連絡が来ることもなく、リピートで頼もうとか気持ちよく末長くお付き合いが出来る会社や担当者にお会いすることができませんでした。もちろんどなた様も購入後のアフターフォローなどは一切ありません。
まず最初の経験である平成6年のマンション購入時は、当初まず夢である〝戸建て〟から検討しました。
私の考え方としては、もうすぐ子供が生まれてくるので払える家賃で暮らせる間取りは、借家では限られている。当時希望していた3LDK以上となれば、借家ではさほど見当たらないし、仮に見つかってもその家賃がかなり高額となるので、建売や中古の戸建てを含めて住み慣れた実家(大阪市西成区)の近所で検討をしはじめました。
土・日となれば、相変わらず新聞に沢山の折込みチラシが入り、我が家では、最初に絞り込んだのは、先ほど申し上げたようにまず〝戸建て〟が大原則で、新築・中古を問わず、様々な案件の間取りをチェックしては、内覧会を開催している物件に足を運んで見学をしましたが、その時に次のような経験をしました。
チラシが入ったある不動産会社に電話すると、誰も電話に出ない。チラシを配布しているので誰か留守番ぐらいいるはずなのに誰も出ない。仕方なく電話を切ると、すぐに折り返し電話が掛かってきましたが、その時に不自然さを感じた記憶があります。
全く警戒心のない私の電話番号は、相手の会社に控えられ、電話がかかってきたら自分の名前を名乗りますのでそれが目当てのようです。しかしながらその電話の相手は、口軽で調子のいい営業トークで強引に押し付けを迫ってきたので、今後2度と電話をしてこないように言いましたら、とっても不快と感じる電話の切られ方をされた記憶がありますが、当時は、やはり思った通り不動産屋は“胡散臭く”未だにこんな営業姿勢で仕事をしている業界なのかな?と感じたものです。
また、当時アポ無しで見学会を開催している案件を数件見にいきましたが、そのとき感じたのは、担当者が一日中ずっとまるで獲物を待つかのように現場に張り付いている様子です。

しかもそのほとんどの方がスポーツ新聞か小さいテレビで競馬などを見ながら待っておられましたし、その様子は、とてもお客さまを温かく迎える姿勢ではないし、滑稽な絵面のように見えましたが、この不動産業界では、あたりまえなのかもしれません。でも残念ながら彼らが扱う物件もそれらと同様に腑に落ちない物件が実に多かったものです。
この時期でも私は既に住宅業界で15年ほどの経験がありましたので建築的な知識は、少なくとも彼らよりは豊富でしたが、見学をする際には自分の職種を隠して、見に行くたびにいくつかの専門的な質問を投げてみましたが、例えば、建売の担当者とのやりとりはこんな感じです。
私: この家の断熱の性能は?
営業マン(以下営): しっかり入れています!
・・・あのねぇ。。。入っているとかの話をしているのではなく、私はどんな種類でどれほどの性能であるのかを尋ねているのですがどうやらこの担当者は興味ないようです。
私: 検査は?
営: 社内検査でしっかりしています
当時は、瑕疵保証の検査は義務ではなかったので私自身が気になったので尋ねてみましたが、そもそもあなたの会社が信頼できるかどうかもわからないので、第三者の検査をうけているのかを聞いたのですが、見て見ぬ振りできる身内の社内検査なんかはどうでもよいのであります。
私: ロフトあるんですね
営: 好評でサービスでつけています!
サービス?のはずないだろう。あなたたちが何も言わない内から、ボランティアではあるまいし、サービスをするはずなどない。きっちり利益はあるでしょう。百歩譲って仮にそうであっても、そのしわ寄せは、家を建てた下請けの工務店に押し付けたのでは?
私: 外壁のオサマリは?
営: 石目調のデザインで仕上げています
デザインは見たらわかりますので、通気工法をちゃんとしているのかを尋ねているのです。
こんな感じの噛み合わないやり取りが続きますが、きっとこの建売を売る担当者は、家づくりや建築の事についての知識などがほぼなしと言え、理解しているように思えませんが、それにしてもどうも建築に関しての意識が低すぎますが、不動産会社というのは、質や性能はどうあれとにかく土地や住宅が売れたらいいだけだから仕方がないといえるのかな?
でも、何の商売でも売る商品の事は、知っておかなければいけません。
では、中古住宅を見た感想は?というと大阪市内で価格的に安いのは、間違いなく長屋の意味をさす“テラス”となっています。2戸1、3戸1、4戸1であったりします。こういう形式の家は、何が問題かというと建て替えができない可能性が多いにあるのですが、当時はそれも説明はしなかった。
購入された住宅の隣地の方と柱は共有となり、しかも切り離しをしないでほしい…と要望された場合、計画が長引いたり、そのお隣の補修などの費用を余計に負担したりしなくてはなりません。もちろんお互いさまといえるのですが、これらは昔の名残りであり、関西独特なのかも?
他に売り出されている中古住宅を見にいくと現在住まれている方の家も見ることがあります。生活感があり、家具を置いたときの本来の空間もイメージしやすいので、これはこれでいいかもしれませんが、圧迫感が尋常でなく、明らかに家具の種類や数や生活スタイルが違いますからピンとこない。
しかしながら、いま住まれている方を目の前にして営業担当者から無神経に「いかがですか?」と感想を聞かれても住まれている方を目の前にして「いや〜これはダメです!」という評価なんて言えるはずありませんが、この時ばかりは本当に無神経な方だなぁと感じる時でありました。
その中古住宅が空き家のケースも多くあります。カビの生えている壁やシミや汚れのついた天井やカーペット、その上には、ゴキブリホイホイなどが散乱していたら、気持ちよくこれから住もう!という気持ちにはなれない。これらは明らかに海外と違うと感じます。

その海外では、カラダとほんの少しの荷物で引越しが可能となるぐらいに家具もインテリアも全て含まれてのメンテナンスがされた中古住宅が多くあります。ですから、どのイメージの家が好きですか?と言えるぐらい中古住宅でもはっきりしています。そういうこともあって海外の住まいはあきのこないデザインであり、資産価値が上がるのであり、引越しに大型トラックで荷物を持ち運びする日本とは全く違います。
でも本当に売る気があるなら売主若しくは代理人である不動産会社が多少のリフォームやせめて掃除ぐらいをしてはいかがかな?と思うのですがそれは日本では過剰と言えるのでしょうか?
これらもある意味日本特有なのかもしれませんが、きれいに使われていない中古住宅に対しては、中古住宅を買うことに投資をするのに、さらに予測できないリフォーム工事が必要という投資に関しても考えなければならない事を大きなリスクと捉え、やはり少しトーンダウンしてしまうものでありますが、行政が中古住宅の売買にもやっと着目しはじめたので、これからの日本は不動産価格に大きな差が生じ始め、家が余る空き家問題が最大の課題となりますので時代は間違いなく変わりつつあると言えます。
さて私自身、色々案件を探すことが何かと面倒になり、何度か自分に負けて土地を買って…という選択肢ではなくてもう面倒なので建売でもいいか…となることがあったのですが、例えそれが安い!といっても、中古でも2000万はくだらないし、そのあとの必ず必要となるリフォーム費用の事を考えると結局は、中古でもしっかり建てているのかもよくわからない〝ヤスモノ買いの銭失い〟になるのかもしれないという懸念は取り除けませんでした。
そもそも私自身がこの住宅業界に身を置きながらも信用できない造りとなっている建売住宅に住むことが、本当に家族のためであり安心して暮らして満足ができるのか?ということを考えるとやはりどうしても踏み込めなかったです。
ただ、月の支払いなどの事を考えると当時の予算では、土地の費用が高額な戸建ては無理なのでは?と考えはじめて、この頃からマンションなら可能かも?ということを意識しだしましたが、調べはじめると今でこそ多くの分譲マンションが建っているようですが、当時は希望するエリア内には、分譲マンションがほぼ存在せず、賃貸マンションばかりでしたが、実家の場所を中心に分譲マンションを検討してみました。
すると売り出す際にバブルがはじけて、売れ残ったいわゆる新古マンションを見つけました。それは、新築状態のままでほとんどが売れ残っていて、誰も住んでいないという状態です。

写真はそのマンションでありますが、内装の仕上げは、玄関が大理石。キッチンはドイツ製とすっかりバブル仕様ですが、価格は、そのままでは当然売れないので高額を払って既に住まれている方に “内緒”で大幅値引きをします! という話を持ちかけられ不動産探しに疲れているタイミングもあり、これで私の気持ちは陥落。
これまで戸建てを中心に建売や中古物件を見てきたし、期待もできないし、不動産を探すことにも疲れを感じていたので、マンション暮らしでもいいか…。マンションでは、建売のように構造的に悪さもできないだろうし(今では、あの構造計算偽造問題があるのでこの考えも通用しません)とりあえず、早く落ち着きたい。
身の丈にあった夢のマイホームに住みたい!と自分に言い聞かせるように判断して納得してあっという間に契約をしました。
当時の営業担当者からは、“恩着せがましく内緒”と言われ、いかにも特別扱いされたかのように感じましたが、冷静に判断すると売ることに必死だっただけであり、そんなことを思えば、私に全くなんの冷静な判断力がなかったようです。
でも、こんな私が人生ではじめて“マイホームを手に入れる”ということだけで満足していた感じもしますが、このマンションは、3100万で契約いたしましたが、ここからは、さらに現実的なオハナシになります。
この不動産を買う前にもっと不動産屋を知ろう!
を最初から読みたい方は まず資料請求を