商談や契約する前に皆さんが確認する大切な事
契約をしてこれから家づくりをされる方は、図面はお手元にありますか?これまで打合せした内容が、全て反映されていますか?
いまだに、図面がないまま工事をするというケースは、設備機器交換や内装替えなどの小さなリフォーム工事以外ではありえないことです。図面があるといっても、それが新築でも確認申請に必要な図面程度のみで済ませている会社もまだまだ多いようです。
例えば、棚や窓の高さや大きさ、コンセントやスイッチや照明器具の数や位置などは、打合せや説明は口頭のみで、依頼している依頼者(施主)とすれば、想像する頭の中だけで現場を見てはじめてこんなはずではなかった・・・という事もあったりします。
ひと昔前の大工さんなどは、価格を坪単価だけで伝えて、図面は「私の頭の中にあるので大丈夫!」や「これだけの梁をしてたら安心!」という根拠も保証もなく、大工の経験論だけで済まされていたのもこれまでの家づくりの現実でありますが、もちろん今はそんな時代ではありません。
この図面は、お客さまも必要でありますが、現場の職人さんも必要であり、工事を始める前に依頼する側(施主)と工事を請ける側(家づくりをする会社)が契約内容をお互い理解や同意をしておかなければいけないものであります。
見積もりもドンブリなら図面もドンブリだったりするから、最後になって、依頼主である施主の立場とすれば、あたりまえのように含まれていると思っていたものが、あれこれ別途だ、追加だと言われたりして、予期せぬ出費となり依頼先とのトラブルになったりするものなのです。
よって、消費者も工事が始まる時にできるだけ図面があった方が良いという理屈はおわかりいただけるかとも思いますが、では、この図面についてどのタイミングでどの程度が必要なのかは、家づくりのパートナーを選ぶ相手によるところであります。
まず、この点について持論をもつ設計事務所として業をなす建築家ですが、彼らは図面を整えて、その内容に準じた見積で契約すると言ってますが、基本的に家づくり会社の形態とは違う点を理解しなければいけません。
これは、しっかりと先に設計契約、つまりそれにより〝別契約で設計に対する報酬〟が発生するからそれができることであり、ただネックになるのは、最も大切な家づくりの工事価格が見積を業者に依頼しない限りわからないのに設計監理を依頼する、それ以前に理想のプランと家づくりをしてくれるのかどうかもわからないのに設計契約をしなければいけないという点が、消費者が建築家へ依頼する時の敷居が高い点であると言われるところであります。
それをできるだけ敷居を低くしたのが〝設計コンペ〟とも言えますが、この大切な部分が欠如しているのが設計を競うが、そもそも図面を書いている建築家や設計者などが見積もりができないので価格が無視されるという問題点をクリアしなければなりません。
ハナシは、少し横道にそれましたが、彼らはとかく図面を先に用意すべきである!といいますが、ご予算や工事価格がありきで考えるとこれは建築家ならではの家づくりのススメ方でありますので、建築家との家づくりとして正解であっても、ハウスメーカーや工務店、他の住宅会社では、契約前にすべてそろえるという流れにはなりません。
その理由は、契約になる前までは、積算して見積価格を出すために平面プランやイメージなどをつかんでいただくための様々な資料や図面などは、必然的に出されますが、一式揃えた結果、契約にならなかったら全てが無駄(費用をしっかり払うつもりならOK)になりますので、契約後に一式の設計図書を整えていくことになります。
だからこそ、契約する前にその契約内容が理解できるようにそれに変わる性能や仕様がわかる書式、若しくは見積もり明細が必要といえます。
ところが現実は、一部のハウスメーカーや営業系の工務店などの家づくり会社では、見積もりはドンブリで、契約内容もできるだけドンブリで作成して、追加や別途としてどのようにでも解釈できるような資料のまま契約をするケースも多く、競合先がいなくなった契約後に追加や別途オプションとして、緊張感がない価格(標準価格や市場価格より高め)が提出され、売る側にとって有利な商談となってしまいます。
だから営業色がつよい会社ほど〝とりあえず仮でもいいから契約〟と依頼主(建て主)にお願いできるのです。
契約するまでにチェックする内容
1.工期の確認
2.支払い条件の確認 <−−これ重要
3.打合せの内容がどこかに書かれているかどうか(図面・仕様書など)
4.追加や別途工事が何でいくらになるのか?その根拠も。