住宅業界のサービスは、サービスではありません
いまだにこの住宅&リフォーム業界では、(特にハウスメーカーが多い)以下のようなことを〝サービス〟と伝えている事が無数に存在するようです。
● 設計費用サービス
● 住宅模型
● 地盤・敷地調査
● 耐震診断
● 解体費用
● カーテンや照明器具
● 特別値引き など
もちろん既にはじめて家づくりをされる方でも察しもついているでしょうけど、これらはサービスではなく、営業手法であり、販売するためのテクニックであります。
例えば、設計費用については、それを職としている建築家に依頼する場合と意味がちがい、営業担当者など社内のスタッフがプランニングをする程度のことをさしている事が多く、本来の設計図面を書く人が契約してから作業するのか、契約するためにプラン作成をするのかの違いであり、のちほど確認申請や設計図書を整備する費用などは見積もりにしっかり計上されるのはあたりまえとなります。
基本的に仕事であれば、労力と時間と知恵を使えばコストはかかるものであり、特に外注などをするとその経費は、誰かが負担しなければいけないものなのでこれが大原則ですが、依頼先を決める時のプランや見積もりの比較段階でお断りしても、費用は発生しないという意味であり、この点については、消費者にとっては〝サービス〟という判断もできます。
しかしながら、トータルで考慮すると見えているか、見えていないかは別にして、それらに関しての経費は必ずどこかに含まれる理屈であり、仮に書かれていなくても、契約すればその住宅工事価格の中の諸経費や粗利額に含まれますし、もし契約にならなくても、その会社で他の方が建築する住宅の価格の経費に含まれるという理屈であるから、サービスと安易に口にする住宅会社は1棟あたりの建築コストが高いのです。
ですから、この事例を含めてお仕事とする場合は、人が動けば費用はかかるものであり、知恵も利用すれば、費用はかかるものでありますので、どこまでがサービスとして提供していただけるのかもしっかり把握した上でできる限り検討すべきであります。
過去の相談事例では、サービスだ!費用は無料!!と言いながらも、商談をお断りをすると請求してきた工務店があったり、上記の例の解体費などは、今なら100万円分サービスと告知しておきながら、見積もりで300万を出して100万サービスで200万としていたが、他社で見積もりをしたらその解体費用が100万でできる内容であったケースもあります。
つまり、皆さんがわからない事をいいことに100万サービスでありながら、100万高く見積されているということもあったりします。
また、リフォームなどでは耐震診断がサービスということが多いのですが、この耐震診断も何社かで比較すればすぐにわかりますが、その診断結果もバラバラであり、購入したソフトに入力する人のさじ加減であり、そもそも〝安心〟とでればリフォーム営業ができなくなる事になりますし〝安心〟と判定して万が一事故があれば、そのソフト会社は責任を取ることになるので、ほとんどの家は〝危険〟と判定されて営業につなげるようになっておりますが、そもそも見えない構造体をどう判断したのかが疑問であったりします。
またよくあるサービスは、まるで恩を売るかのような特別値引きでありますが、特に営業マンが窓口となるような家づくりの場合は、それが契約を急かすためだけのものであったり、最初から自らの権限で調整ができる値引きシロというのがあります。
これは、何の業界でも営業マンにある程度の権限はあるかと思いますが、見積もりの経費の部分の数パーセントの数字で調整すれば、見積などはどのようにでも調整できるようになっています。つまり、そこの部分を1%あげて口頭で1%下げるだけという感じですが、特に営業マンなどは、自らの報奨金に多大なる影響を受ける利益率や額を規定外に落とすような真似はする事はまずないと思った方がよろしいでしょう。
ただし経営者の場合は、どうしても職人の関係上契約したいという際には、権限があるので利益額を落としてまで契約する場合もありますが、この場合は、ほとんどが契約後の追加・オプション費用が相場より異常に高かったり、そもそも現場の質を落とすような事をしたり、会社そのものの経営にも悪い影響を与えかねませんのでくれぐれも契約前にできるだけしっかりとした見積もり内容で比較するようにしてください。それが発注者であり建て主であり施主であるあなたの最大の防御方法です。
いずれにしても、あなたの大切な家づくりは、利益を目的とする住宅会社(営業マン)が口にする〝サービス〟という事だけで安易に判断しないことであります。
なお、家づくりサポートをしているハウスネットは、できる限り無駄な費用が負担にならない内容については、時間を見つけて作業をするので無料としておりますが、その作業内容によっては有料となる場合もありますので…とご説明した上で依頼された場合は、ご判断いただいてから作業をするようにしておりますのでご安心ください。