見積を比較(相見積もり)について

見積りの比較 相見積もりのハナシ

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建て主である皆さんが〝見積を比較する〟という事は、簡単そうで実はとってもむずかしくもあり、なんとなくできていそうで、全くできていないのが実態で、実はこれプロであっても決して容易な事ではありませんが、工務店や住宅会社、ハウスメーカーなどにご依頼してプランが出され、それを比較しているだけで相見積もりをしていると思っている人が多かったりします。

現実では、その比較したプランをよく見ると様々な点で条件が違ったりしています。

・延床面積 ・家のカタチ ・仕様 ・断熱性能 ・設備機器や建材のグレード 

・壁の量 ・建具の数 ・サッシの性能とガラスの種類  など

では、わかりやすく 実例でご説明しましょう。 

例えば、システムキッチン。同じような仕様のキッチンであるのに購入できる価格が違う場合、あなたならどちらを選びますか?

A: 定価100万  

B: 定価120万

各社のメーカーやシリーズが違う場合でも、このようなケースでは、ほとんど同じ仕様ならあたりまえの理屈で定価だけ見てA社を選ばれるかと思いますが、では、この商品を仕入れ価格である原価で比較してみると

A: 掛率45%=原価45万

B: 掛率35%=原価42万

いとも簡単に逆転現象になったりしますが、これを知った場合であれば、どちらを選ばれますか?
 
もし
同じ価格で買えるなら、原価の高そうなA社のがよさそうという心理になります。でも、売る側の立場であれば、同じ価格で売れるのであれば、利益が少しでも残るメーカーBのオリジナルキッチンを推奨することになります。

さて、これだけでは終わりません。キッチンの場合は、メーカーの組付費用が加算されると

A: 機器+組付費 50万

B: 機器+組付費 50万

供給している設備メーカーも、定価設定を高くして、この機器だけの掛け率を安く見せ、組付け費で調整していたりするメーカーもあり、プロ側もそれを利用したり、そこまで気づいていないプロも多いものです。

では、次によくある〝諸経費〟について以下のようになっていたら、どこの会社を選ばれますか? 

A 諸経費  明記なし

B 諸経費  3%

C 諸経費  5%

D 諸経費 10%

同じように頼んだはずの家づくりなのに出てきた見積が上のようなケースであったりする事がありますが、この〝諸経費〟の部分だけを見て=(イコール)利益と思いこまれて、簡単にご判断されて選ばれる方がおられますが、では、A社は利益なしということでしょうか?・・・ちがいますよね。

では、工事費となる部分を書き加えてみます。

A 工事費 1000万  諸経費 明記なし   

B 工事費  970万  諸経費 30万

C 工事費  950万  諸経費 50万

D 工事費  900万  諸経費 100万

合計は、ほぼ同じ価格となりますが、このように数社を比較して、同じような価格になる事は、まずありえませんが、表示されている価格の理屈は、このようにテクニックで経費をさほどとっていないという風に見せて伝える事も可能なのです。

沢山の商談の場数を踏まれて、経験をされている家づくりのプロたちはあえて「建て主は、きっとわかりやすいこの部分だけを比較するだろう・・・」ということが前提で、見積もりをつくられている会社もおられ、「工事費は、いい職人を使っているので少し高いですが、その分経費を落としています」など様々な営業トークや手法でご説明される工務店や住宅会社などがおられます。

でも、よく考えればわかるのですが、会社の経費が3%や5%で運営できるはずなどないものです。まして一般的には、工期が長い住宅などでは、安定的な経営をするためには、利益率は20%以上必要であるとも言われ、特に最近よく目立つ広告をよく出している営業系の工務店などは、経費も高く必要となり30%以上を確保を目指されている会社も多くあり、モデルハウスをもち全国展開で上場して沢山の間接経費が必要なハウスメーカーなどでは、40%以上の会社もあると耳にします。


このパターンを様々なケースで利用しているのがこの住宅業界の価格表示ですが、では、もう一例をお伝えします。例えば、次のようなケースは多く見られます。
 

A 建築本体工事 1300万

B 建築本体工事 1500万

C 建築本体工事 1700万

D 建築本体工事 1900万

特殊A 建築本体工事 2000万

特殊B 建築本体工事 2000万

仮に同じプランや仕様で依頼しても、こんな様子で見積の価格の表示されたりしますが、その実態を見ると

A 諸経費など全てのぞく +500万必要 

B 外部・給排水・電気・確認申請費用のぞく+400万必要

C 外構工事はのぞく +200万必要

D 考えられる工事すべて含む +なし

特殊A 設計監理費別途 200万必要

特殊B 設計監理費用+プロデュース費用別途 350万必要

このようにどれだけ同じプランであり仕様であっても、見積書式に関してのルールがないので、各社色々な手法や表示で見積が提出されるから依頼する建て主の方が混乱されたり、誤解されたり、騙されたような感じすらすることになっています。

ですので、プロ側の都合のいい〝建築本体工事費〟だけを比較することがどれだけ意味のないことなのかが、よくおわかりいただけるかと思います。

また上の事例では、AからDのケースは、まだ最終的に同じ価格となるので理解できますが、特殊Aのケースは、建築家との家づくりですが、最終的には総額2200万の家づくりとなりますし、特殊Bのケースでは、プロデュースが絡む家づくりですが、2350万の家となる事をよくご理解されることです。いわゆる建築本体工事価格は、2000万であっても依頼する先によっては、その他の設計監理費やプロデュース費用などが必要になることもある という事です。

 

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他には別途やオプション工事の場合では、ある設備機器などの場合

A 基本仕様 定価100万を50万  

B 基本仕様 定価100万を60万

C 自分で選んだ商品 定価150万を70万
 

これが オプション追加価格を足していくと
 

A オプション追加価格 定価50万を40万 計90万

B オプション追加価格 定価50万を30万 計90万

C オプション追加価格 一切なし 計70万

というような事になるのです。
 

これが、住宅業界の企画住宅やモデルハウスで、別途工事やオプションが多くなっているカラクリであります。これらの追加費用で〝利益額や利益率〟を急激に伸ばそうとされているのです。

ユニクロなどは、Tシャツでも2枚以上買うと安くなるのに、住宅業界は、追加をすれば、一般価格より高くなるからおかしなものです。特に標準仕様と決まっていて、ドンブリ勘定で出される企画住宅は特に・・・です。

ただこれらについては、競争の原理がありますので、競争相手がいるから、商談に緊張感が生まれ、価格がシビアになるのであって、契約後に追加や変更、別途などの価格を出す際にその競合先がいなければ、売る側としては、どれだけ安く仕入れることができたとしても、心理的にあなたには高く売ることになります。
 

だからこそ、未経験でわからない建て主なら、おおいに比較検討するべきなのですが、それがそう簡単ではない、たやすい事ではないとご理解いただけるかとも思います。同時に、建て主にそう簡単に比較検討できないようにするのも住宅業界のプロのテクニックの一つであります。



ところが ハウスネットの家づくりサポートのように、これまでいくつも比較をしてきているプロでもあるサポート事務局にかかるといとも簡単に比較検討できてしまうものなのであります。

この比較検討からしっかりと検討すれば、自然と信頼できる依頼するパートナーが絞り込まれていきますので、もし今ご依頼している家づくりをする会社が不安であるなら遠慮なくご相談ください。その謎や不安・不満を取り除いて、楽しい家づくりにします。

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いかがですか? 少しはおわかりいただけましたでしょうか?

ある工務店A社が、システムバス120万で見積内容でご提案して、ハウスメーカーB社が、あなたに50万でシステムバスを提案した場合、35坪の家のケースの場合、それだけで坪2万ほど変わる事にもなります。もちろんこの段階でグレードやオプション扱いや定価やメーカーに利益率など無視していますが、システムバスだけで、坪2万も差がでるのも現実です。

ですので、比較する場合は、同じ坪数で同じ間取り、このシステムバスのケースなら、同じメーカーで同じサイズで同じグレードのもの、同じ定価とする必要がありますが、今の家づくりでは、特に企画住宅を提案している会社が多いので、現実ではこれが容易ではなく、同じように見えるもので比較しているのが現実で、メーカーも違ったり、仕様も違ったり、定価も原価も違うモノで比較していたりするので、設定されている基準がばらばらになってしまいます。

このように機器の一つのシステムバスだけでも、簡単に坪単価を安くも高くもできるわけですから、その他のシステムキッチンや洗面化粧台やトイレなど設備や床や建具、外壁や内壁の質や数量、それらの仕上げ材や性能など全てにおいて、同条件ではじめてしっかり比較できる事であり、どれだけ違うプランや延床面積や性能や構造などで比較しても、あなたにとって〝誠意や心〟をもって経済的な家づくりをしてくれる会社が明確にわからなくなっているものなのです。

でも、残念ながら、これでは、相見積もりをして比較検討しているようでありながら、実は全くできなくて、その結果、最後にはよくわからないから窓口の営業担当者などで判断して、依頼先を決めることになっているのも現状ともいえます。

しかし、これを供給して売る側のプロもよくわかっているからこそ、細かい内容などは契約後に・・・などといって、オプションや別途工事で曖昧なままにしておいて、あとで適正価格とはいえない暴利がとれるように後だしジャンケンの法則にもっていくのです。

・・・ ご理解できましたか?

ですから、大切な事は、そうならないように比較検討して、できるだけ契約前に何がオプションや別途工事であり、それらの価格を曖昧にしておかないで、目安とその根拠もしっかりと確認しておくべきなのです。特によく誤解されるケースが、解体工事や外構工事や地盤改良工事費用。

ある会社は、外構工事200万としている会社もあれば、一方の会社は、50万しか計上していなかったり、地盤調査もしていない段階で、高めの金額を設定して100万見込む会社と20万だけしか計上しない会社では、総額での価格が変わってくる事はあたりまえです。

もちろんこれもプロは、テクニックとして使われています。

ですので、相見積もりというのは本来、同じプランと仕様で同じ性能で比較検討することであり、そうすることにより過剰に利益を取られているとか、適正価格であるかどうかが見えてくる事になり、差が生じた原因が何であるのかなどをしっかり見た上で依頼先を検討することが大切なのです。

ね! 簡単そうで簡単ではないでしょ。

ただ 比較してもわかりにくいのも現実ではありますが、しっかり比較検討することにより、経験がない建て主が相手でも、プロにも競争意識が高まりますし、商談や価格に緊張感がでますし、それらの資料を読みとる事さえできれば、各社の提案する内容でこれまでの打合せがしっかり反映されているかなどの姿勢や対応などもわかるものです。

ですので、くれぐれも見える部分だけの工事価格の安い高いだけで判断をしない事です。

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