【相談実例】大阪市城東区の建築条件付きの土地を買おうかな?

相談実例

〜建築条件付きの土地を購入予定〜

このページでは、建築条件付きの土地を購入しようと進めた結果の大阪市城東区にお住まいのご相談者(Fさん)からで、ご郵送されてきた具体的な図面と見積もりについてのご相談とその解説を書きますので、是非同じ境遇の方も多いかと思いますのでご参考にしてください。


【ご相談までの経緯】

このFさんの家づくりのお相手は、ご自分で見つけた会社でありますが、実はハウスネットで以前、面談の上に理由あって非登録とした会社です。状況は、1回目の見積もりと2回目の見積もりでなんと1000万近い増額になったのでこちらにご相談に来ておられます。

【ご質問内容】

大阪市城東区で物件を探していますが、建築条件が付いたものが多く諦めかけています。土地・建物等込みで4000万円で考えていますが、予算が限られているので建築条件付きの物件を購入するしかないのでしょうか?今、条件付きで4000万円の物件(半年ほど更地のままでこれから建てる様子)があるのですが、条件を外して同じ予算で建てるというのは可能なんでしょうか?

・・・さて、皆さんが同じ立場ならどうお考えされますか?

*** では、そのご返事です。***

Fさんと同じように悩んでおられる方は沢山おられます。いい土地は、市場に出る前に先に不動産屋が押さえているので残念ながらこれが現実とも言えますが、その理由は単純で、不動産業界のご商売の方法がこれまでと同様に場所さえよければ “売れる!”と確信しているからであり(もちろんハズレもあります)でも、市場が冷えると途端に手放されます。数年前の建築基準法の改正時にも、数多くの建売会社が手放したり、持ち続けることにより資金繰りがうまくいかないで倒産もしたりしていました。

現状では、日本の住宅の在庫の多さ(空き家問題)を考えると今後は、以前に比べると一部の人気エリア(駅近など)地域をのぞいて売れなくなるので、緩やかに条件は外れていく事が予想されます。(これは、核心でもなく、時代の流れと常識的による単なる勘でもあります)

 それでも土地がない!と感じるのは、やはり希望する場所が人気エリアであるということもあるのでしょう。

 これまでもしっかりとお探しであるならば、ある程度お分かりかと思いますが、まずお探しの場所は、坪あたりの価格はいくらぐらいでしょうか?つまり相場です。最近、土地を買われた方から聞きましたが、大阪市内では場所にもよりますが、未だにあちらこちらで100万以上するご様子ですので仮に坪100万とすれば、土地は20坪で2000万、15坪であれば1500万となります。

次に物件などを見に行かれて感じた自分なりの〝この大きさならいいか…〟という家と土地の大きさとのバランスはいかがでしょうか?

つまり希望する家の大きさが法的に建てることができる敷地の大きさなのでしょうか?

そうです!まず、その大きさや広さの感覚をしっかりともたれた方がよろしいかと思います。おそらくこれから先の計画のためにも、必要でありもう少し小さくてもよければ、総価格は安くなりますし、いやいやもっと大きい方が・・・となれば総予算は高くなります。あたりまえの感覚ですが、大きさが違うのに価格が同じであるはずがないのです。

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あとその建物の器に関しても、2階建てより3階建てのほうがコストは、高くなりますし、正方形より長方形のほうが壁の長さが増えるので非効率なのでコストは高くなります。

これらの算数的な理屈で考えていくと、ある程度希望する大きさなどは自分なりに見えてくるかと思いますが、ご質問内容から建物の概要が全く不明なのでご回答としては、建てれるかもしれないし、無理かもしれませんというご返事になってしまいます。ただ色々な諸経費などのことを考えるとその費用などを含めて・・・となるとそれらのしわ寄せが建物や土地の予算に影響するという事になります。


仮によくある建売で不動産会社の好きな価格の値付け3980万であれば、その場所の土地の大きさに坪単価をかけて引き算してみてください。仮にその結果1980万円が残った場合は、その不動産屋は大雑把にですが、300−400万を利益としてとったりしますので、結局、建てる家は1580万の予算で建てなければならないという理屈ですが、ほとんどの不動産会社は、土地を地主や売主から買う場合は、相続税絡みで売り急いでいたり、相場を知らない相手なので安く買い叩いていることが多いので土地価格が相場の価格で購入しているとは一概に言えないのも実態です。

それでもその施工をする工務店は、100万でも200万でも少しでも多くの利益を残そうとするのでその結果、見えないところで手抜きをしたりする事もあったりするかも・・・という懸念事項になってしまいます(もちろんどこもかしこも必ずそんなことをするとは限りません)が、それが建て売りや分譲、建築条件付きなどの理屈であり、だからこそあの価格でできる特徴といえます。

ですから、建売で建物費用が安く感じるのに注文住宅という事だけで高く感じる理由は、それなりの理由がある建物であり、依頼先の違いからであります。もし注文住宅でも、価格が魅力的な建物がその会社でできるならわざわざ割に合わない不動産屋からの依頼の建て売りなんかしないだろうし、そんな会社であれば、自社工事の注文住宅で多忙となるはずであり、なのにわざわざ不動産会社の下請けをする理由、安くする理由が必ずありますので心して購入をお考えください。

 
もちろん何度も申しておりますが、全ての建て売りがそうであるとは言っておりません。その建売がその可能性もあるという事です。だからこそ、その建築条件を外そうとすると土地の購入費に下請けに丸投げして入る予定だった利益を上乗せしてきます。(これこそ独占禁止法や違反とならないのか?疑問)

つまり坪単価100万が120-130万になったり・・・20坪なら仮に400万ほどの利益が出るようにされた上でしかも手数料も収益として上がります。

  
購入者側にすれば、とっても理不尽でおかしな話なのですが、これが今の不動産&建売業界の現実であり、お客さまから不満としてよく聞くオハナシでありますが、やはり非常に残念な業界であり、しかも歯がゆくもあるのですが、これも〝現実〟となっておりますので、今後の何かのご参考にしていただければと思いますし、是非急いだばかりに快適でない家を買ってしまった!ということだけはしないでください。

それだけの額面の買い物ですし、買い直しが簡単にできないものなのでくれぐれもご注意ください。

次にお送りいただいた図面と見積もりに関しての解説ですが、まず会社の評価に関しては、ノーコメントにしておきます。会社名に関係なく、お客さまに提出されている資料から純粋に判断します。

まずこの土地は、たしか建築条件付きのはずですが、見積もり書の中で仲介手数料無料=サービスと書かれていますが、仲介を業とする不動産屋の場合は、間違いなくここが収入源になりますのでので、サービスなんてありえないです。つまり仲介とは名ばかりで、自社が直売するからなのでしょう。
 
あとこの土地の坪単価は、相場からしてもきっとお安く感じたのではないでしょうか?

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というのは、いわゆる〝旗竿地〟という敷地のカタチになっているので、住宅が建てることができない竿部分の面積が多いですから、坪単価にすると必ず相場より安くなる!という理屈になります。

よって手元にある資料から判断すると土地の価格2400万で敷地面積は46.4坪となれば、坪51万となるので大阪市内のこの地域であれば、相場より坪単価がとっても〝安い〟と感じられた理由がこれとなりますが、ただそういう敷地の場合は、隣地に囲まれた場所なので4方向から視線と光と風には、くれぐれも注意してしっかりプランニングをしてください。


プランのコツは、どの家も同じ事が言えるのですが、風の流れをチェックしたり、お隣の窓の目線をチェックしたり、太陽の動きを想像して陽のあたり具合を確認する事ですが、高さを含め周りの環境もありますので、図面だけでわからないこともあったりしますのでその点はご了承ください。
 

相談実例 図面.jpg

ですのでこの土地については、建築条件付きであれば、基本的にこの家づくりをする会社さん以外で建てる事は無理となる点が最も気になる事と言えます。
 
ただプランについては、ご相談するご本人が、あまりその点には触れていませんので、今回は、価格の件のご質問と解釈しておりますが、それでも気になる点は、ファーストプランの段階で2階の断面図では、ロフトらしきものが見当たりますが、今回の図面ではこのロフトがないのですが、その点のご確認をお忘れなく。

さて、メインのご相談の価格の件ですが、やはり経緯を読むと最初のご説明をうけた総額4000−4200万という根拠が全く不明となっています。営業トークなのか、勘なのか、希望的観測なのか・・・その見積もり書に関して、○○ページをご覧頂くとなんと今時サッシがシングルガラスとなっていますがありえない事です。

 
吹抜けがあるうえに今の時代シングルガラスとはありえません。まるでヤスモノ建売の感覚です。あとそのガラスは、全て透明ガラスのようになっていますのでこれらについてもしっかりとご確認するようにしてください。
   
建築本体工事に関しても、坪単価の根拠が残念ながらあまりにもどんぶり勘定なのでさっぱりわかりません。これがわかるのは、その根拠をはじき出し想定したこの会社のその担当者のみです。何が標準で何がそうでないのか、どうしてこの価格になったのか・・・。

 
よって坪単価については、正直48万でも40万でも、いくらでもいいという理屈にもなり、しっかり積算したお見積もりという形式ではなく、こういうドンブリ勘定の見積もりを出している会社は、必ず損をしないように安全率が含まれているだろうし、おそらく協力業者=下請けする工務店との話し合いで坪あたりの価格などがある程度決められているということが推測でき、これらは、建売を発注する時の発想です。
 
ですので、計画する住宅の間取りで壁が多かろうが少なかろうが、坪数が同じであれば、同じ価格であるというカラクリとなっています。これについてわかりやすくご説明いたしますと、よく例えますが、漢字でいえば、家の部屋の間仕切りが何もない〝口〟であろうと間仕切り壁が増えて〝田〟であっても坪数が同じであれば、どちらも同じ価格という発想です。

となれば、先方の家づくり会社の増額の理屈は、ファーストプランの際の大きさは、図面の数字から111㎡、2回目のプランは、117㎡となり、たった6㎡ほど大きくなっているからではといえ、その内訳をみると2階のロフト。ここで説明した1回目の図面の断面図が絡むわけですが、最初からあるなら価格が上がる要素ではないですし、2回目で初めて提案されたとなれば、増額になる要素となります。

次に階段ユニットですが、定価もある建材なのでいくらかでも値引きもあるでしょうし、しかし取付手間をいれても25万の内訳明細を確認された方がよろしいかと思います。

その他に吹き抜けも1回目の提案からそもそもあったことですし、可動間仕切りについても書かれていますので、これらの要素は、増額の要因にはならないかと思います。

相談実例 螺旋階段.jpg

あとお風呂についてですが、システムバスから在来にするだけで、なぜ62万も増額になるのかが疑問であります。元々のシステムバスってどれぐらいの価格のする商品だったのでしょうか?これも2回目の変更からでしょうか?ちがいますよね。先ほどの螺旋階段についても図面を見ると最初からの提案となっていますが、なぜ標準のユニット階段に比べるとプラス90万になるのか?です。


でも、ここでよくわかるのですが、値引きする商品は価格は少なくて、追加する商品の価格は高いことです。これはこの住宅業界ではよくある手法や手口です。これで大きく利益率を伸ばす方法であります。
 
他にオール電化にするだけで74万の追加となっているようですが、これも最初から提案されていたはずですので、お送りいただいた資料を整理すると最初のプランからは


 ・面積が広くなった  6㎡=1.8坪=48万×1.8=87万
 ・ロフト部 69万【先方の見積もり通りとすると】ぐらいで合計156万ほどでしょうか。。。

 
次に最初の4000−4200万から逆算してみると土地関係に2450万となり、残りは1550万-1750万となります。先方の付帯工事費用をそのままはめると230万、諸経費に70万ほどで合計300万。残りは、1250万-1450万となり、理屈上無理では?・・・となりますので、これらの事を考えると最初から予算的に無理な話だったのでは?と予測できます。

相談実例 営業.jpg

同時におそらくこの住宅や不動産業界人の都合のいい考え方は、付帯工事費用と諸経費を除く部分で4400万という意味だったのでは?とも考えることができますし、まだ価格が上がる要素がありますので注意が必要です。

屋外給排水工事の項目のところで手元の資料からは、調査の上と書かれています。これは、調査の上高くなりますと言われれば、依頼者側は、何があっても避けることができませんので、あなたは、契約後ではなく今すぐ調べてもらえばいいのです。

また、テレビアンテナ工事も別途となっていますし、地盤改良工事も現段階が妥当な価格なのか不明で概算となっています。契約後にあと100万かかりますよ!と言われてもなにもかも仕方がないハナシとなります。

これも、長年この住宅業界では、売る側として買う側の購買心理を利用しています。外構も未定なら根拠のない価格でありますし、その他、調査の上という部分の価格はより慎重が必要となりますので気を付けてください。

ということで ご相談のご返事としては、このまま契約をすることは購入者にとって、非常にリスキーであるということで、見積もりというのは先にも申しましたが、希望する内容や性能などを理解したうえで積算をしなければいけません。同じ家の大きさでも、全く壁のない広い部屋より小部屋がある住宅のほうが高くなる理屈であり、これがあたりまえで素人であってもどなた様も理解できるかと思いますが、見積もりの明細がないというのが一番怖いです。


これが私がよく言いますこの住宅業界がよくやる手法の〝 あとだしジャンケン 〟です。

プロは、いくらでも、どのようにでも都合よく絵が書けます。Fさんとしても、土地で費用がとられた分あと2000万で全ておさめなければいけない事になるので、決してラクで楽しい家づくりとはいえないと思います。

幸いまだ2階建てですから、できる可能性は高くなりますが、敷地の形状からして家の形も歪になりがちなので、綺麗な四角形の土地よりも何かと費用のかかる土地であることは間違いないです。

ですので今回のケースは、1回目より2回目の見積もりが1000万近く上がった理由。営業トークでその気にさせて、色々と後付けの理由で建てさせる!という手法でしょうか?だからこそ一度クールダウンされたほうがいいです。

これが、今回提出された資料を見た結果のアドバイスです。

それにしても、今時未だにこんな対応する会社があるとは信じられないものです。しかもこの会社のホームページを見ればかなりご立派。いかにも楽しく気持ちいい家づくりができそうなイメージとなっていますが、ホームページは広告会社が作るものなので(ちなみに弊社のはすべて自前です)広告の一つといえ、残念ながら、家づくりのイメージとは別であります。

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最後に家の性能的なアドバイスをすると吹き抜けなどを確保するときは、断熱性や気密性をしっかりと考えたほうがいいです。ですので、シングルガラスというのは、家づくりをする会社でしかも注文住宅として大きく書かれている会社としてかなり無神経とも言えますが、これらも売り方の戦略であり、後程予算を増やすための種まきとも言えます。
  
あと少しだけプランのオハナシをしますとキッチン前のカウンターに座った後ろの空間には、食器棚でも置かれるのでしょうか?しかしながら窓がありますし、妙に広い空間となっていますが、かといって机とか置くと狭いですのでこの点にご注意ください。

他にリビングの空間でテレビを置くスペース考えられたほうがいいです。テレビがどんどん大型になってきてますし、あちらこちらに収納があるので、その前はテレビを置けません。これらは、もちろん建て主がご納得され、理解されているのであればいい事ではあります。

Fさんのご家族も色々なご事情があるので、この会社との商談をすぐにやめろ!・・・とは言うつもりではございませんのですが、他社とも並行に進められるのが、理想ともいえますが、条件付きの土地では無理なので土地を優先されてその点をご無理をされるのか?という事が大変気になります。

これらは、土地を優先にするからおかしいのであって、家づくりのご予算をしっかり取って残った費用で変える土地を探せば、身の丈にあった家づくりができる事になります。

あと、お手紙にも少しご自身の感想書かれていましたが、〝なにかおかしいなぁ〜〟と感じることができるその感性は、ほとんどのお客さまの感性が当たっていて、基本的に家づくりの進め方が、業界の身勝手であり、この不動産&住宅業界がおかしい!といえます。

もちろん相手との相性もありますので〝楽しい!!〟と感じることができる相手であれば、お手紙に書かれるような心配事はなくなると思っております。あと傾向としては、この住宅業界人は、足元をすぐにみますのでプロのペースでつくらないで主導権を持ちながら家づくりをするように意識をしてほしいです。

だからハウスネットは、皆さんの家づくりのサポートをしております。


プロは、少しでも利益をと望み、建て主はできるだけ無駄をなくして…ということが大前提なので、この違いは方向が真逆と言えます。そんな相手なので是非みんなで楽しく!いい家づくりができるように仕組みを変えていきましょう!



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