家の大きさの決め方

建て替えの場合は、今の家の大きさを基準に考える方が多いですが(それも無駄がないかの確認は必要です)、土地から探して新築を計画している方にすれば、自分たちが希望する間取りはどれぐらいの大きさが必要で、それに対してどれ具合の土地が必要なのかをしっかり押さえないと土地に合わせて身の丈を超えた必要以上の家を建てることになったり、土地の大きさも必要以上の土地を買う事になったりすることになるので、しっかりと計画を持って欲しいと願っております。
設計者やプランニングが悪いと廊下などの通路面積が多かったり、漠然としたデッドスペースや無駄な空間があれば、それも坪数に入り建築費用に大きな影響を与えることも意識されたほうが良い。その間取りの総坪数の計算方法をここで掲載します。
1.希望する居室空間の大きさを出す
居室とはリビングダイニングとキッチン、寝室と子供室の大きさで収納やトイレなどはここには含みません。その他の和室や書斎を希望するのであれば、ここに含まれます。
例:リビング8帖/ダイニング4.5帖/キッチン5帖/寝室8帖/子供室4.5帖×2とすると合計は、34.5畳となります。
2.基本的なチェックをおこなう
限度となる延べ床面積を出してみる
例1:想定する坪単価から算出
2000万の家を坪60万でつくる・・・延床面積33坪程度
例2:建ぺい率、容積率から算出
30坪の敷地で建ぺい率が60%容積率100%→建坪18坪で延床面積30坪が限度
3.1の総合計に間取り係数(ゆとり度)をかけて必要な延床面積を算出する
事例:部屋の総合計34.5畳(17.25坪)×間取り係数1.6〜2.0=27.6〜34.5坪
★間取り係数(建築家吉田桂二氏が考案) 家のゆとり度合いを示す数値で、係数1.6〜2.0の範囲で計算すれば総坪数が目安として算出されるが計数1.6では収納や吹抜けなどが十分取れず、計数2.0はかなり面積に余裕が必要なので目安と平均係数1.8から考え調整すればよい |
4.2で計算した延床面積の限度から逆算して居室面積をだす
事例:
延床限度面積 33坪÷係数平均値1.8=18.3坪延床限度面積 30坪÷係数平均値1.8=16.7坪
上記の数字から希望する部屋の広さ(17.25坪)は、延床面積33坪の場合ではゆとりがあるが、30坪の場合は、ゆとり度がなくなるという事がわかる
5.各階に振り分けて考えてみる
事例:
1階:リビング8帖 ダイニング4.5帖 キッチン5帖 合計17.5帖(8.8坪)×1.8=16坪弱
2階:寝室8帖 子供室4.5帖×2 合計17帖(8.5坪)×1.8=同じく16坪弱
6.必要な土地の大きさを逆算する
建坪16坪(=1階延床面積)とすれば、建ぺい率60%ならば、27坪ほど必要で建ぺい率80%ならば、20坪ほどでOKとなる。ただし上記5で1.8をかけているので、1.6に近づければ、土地の大きさはもっと小さくて済むことになる。逆に言えば、これらの数字より土地が小さければゆとり度数が減るという理屈です。

これらの内容をチェックしながら、目安として部屋の大きさや建物の大きさを考慮して計画すれば、全体の予算組のメドが立てやすくなります。もちろん2の段階での坪単価の目安が甘ければ、予定は狂いますし、居室となる部屋を増やせば増やすほど住まいの総面積は高くなります。

一方で、3階建てという考えにすれば、建築面積が小さくなると土地の面積も小さくて済みますが、2階建てを3階建てにするだけで坪単価は上がることになりますので、適度な調整が必要となります。
しかしながら、3階建てでも、例えば、2階に水まわり(お風呂と脱衣室とトイレ)と上記で書かれているLDKを固めるとそれなりの広さが2階だけで必要となり、1階に車庫を設けたり、3階に余裕がかなりできることになり、収納スペースを設けることができますが、それにより建物全体の延床面積が、かなり大きくなるので、そのあたりも理解しながら、いずれご夫婦だけになるかもしれない生活の事も考えて、延床面積をしっかり意識することが大切と言えます。
これも、無駄・無理・無茶のない身の丈ハウスの家づくりと言えます。
