【007】どんな家?を誰と建てる?
あなたは、はじめてでわからないなりにも、様々な方法で目星をつけた家づくりを頼む依頼先ですが、その決め手は、いったい何でしょうか?
掲載されている写真? 表示されている価格?
コマーシャルの印象? 営業窓口の方の人柄?
いいかな?と思う工法? いいプラン?
それとも なんとなく?
不動産業界には宅地建物業法があり、広告まで厳しいルールがありますが(守っているかは別)住宅業界の建築業法には、広告に関してのルールなどまで規制されていません。だから、何が正解であるのかも分からないまま、情報発信元に掲載されている写真や価格、イメージなどによりそれを見た人がもつそれぞれの感覚での選択となり、新築や建替えであれ、リフォームであれ、経験も知識も豊富なはずのプロと対等に話ができるはずもないのですが、いきなりプロを相手にしながら、自分なりに家づくりを整理していかなければなりません。
理不尽なのですが、これが今の家づくりの環境であります。
その選択した相手が、適正であるかどうかも曖昧なままで、最初の段階からある程度のリスクを背負いながら家づくりをしなければならないのですが、実は、この最初の時点で間違った依頼先を選択される方が多いのも事実です。
お客さまの満足度を高め、口コミや紹介によるつながりは大切な事であり、これまでご縁で関係のあったお客さまとまじめにコツコツとその関係を大切にする会社ほど、莫大な費用が必要で決して費用対効果がいいとは言えないので、新規のお客さんに対してほとんど広告として発信をしていない会社も多く、逆に雑誌媒体やネットなど何を見ても掲載されているような家づくり会社は、それなりの広告宣伝経費も使っているので、それらのコストが価格に計上される家づくりであり、同時に口コミや紹介も少ないと言えるのです。
もちろん経済的で無駄のない家づくりより、大きな会社という〝安心〟や〝知名度〟〝ブランド?〟としてそれらの会社に対して期待しているのであれば、それはそれでかまいませんが、ハウスメーカーが皆さんに対して提出する家づくりの価格が問題であり、そのまま商談を安心して進めることができなかったのであるならば、紹介やリピート率も悪く顧客満足度も低いうえに、相手が大手ではない中小であっても高くなる家づくりをする会社を選ぶ事が、はたして正解と言えるのでしょうか?という疑問を大いに感じます。
何の業界でもお仕事でも同じですが、中小の会社の経営者であれば、できるだけ広告宣伝費用の掛からないリピート率や紹介や口コミで広がる事を先に考えるのではないでしょうか? おそらく皆さんもお食事するところなどで一見さんお断りの看板や会員制などを見かけたことがあるかと思いますが、家づくりをする会社でもそのような会社が存在しているのです。
ある程度の“勘や感性”も時には必要なのですが、冒頭のように根拠もない博打的に依頼先を選ばれた〝勘〟であっても、この適正であるのかどうかの選択の段階でそのイメージや勘だけで進めてしまうとまさしくプロ側の思う壺となり、彼らの営業トークや商談話法にすっかりはまることになり、これまでの家づくりと同じで、あなたもきっと世界一高いと言われている日本の住宅価格に近付く家づくりをする結果となってしまいます。
では、どうしたら少しでもその選択段階で間違わないようにすることができるのかをお伝えします。家づくりをはじめる前の今なら、きっと冷静に理解できると思いますし、既にどこかの会社と進められているのなら一度リセットできると思います。
まず最初にプロは、あなたが希望する家づくりの経験がなくても、彼らは〝できない〟〝経験がない〟とは言わないものです。そこで依頼主でもあるあなたが意識することは、あなたの家づくりの窓口となっている相談相手は、なんの担当者であるのか?です。
実はこれ、家づくりの全工程から見れば、とても小さなことですが、これが大きな問題を占めていて、仮に相手がハウスメーカーであれば、間違いなくその担当者は営業マンであり、ハウスメーカーの経理や工事の担当者からのご紹介であっても、あなたには必ず営業マンが担当となります。仮にあなたが、その営業マンの経費分を安くしてほしいからいらない!と言ってもそのような対応はしてくれません。そういう意味では、営業マンは、オプションではなく標準仕様といえるのです。
さて、営業担当者であれば、会社ではどのような立場なのでしょうか?
売上や利益のためにできるだけ早い段階で競合先を排除して、少しでも高い売上や利益額で契約する事が理想とされていてそれが仕事となっていますが、これだけであなたとの気持ちが相反していることがわかるかと思います。できるだけ高い売上や粗利額を目標としているプロとできるだけ無駄をなくして経済的な家づくりを希望する依頼者とは、同じ方向で家づくりはできないので、今の家づくりは、どちらかが我慢や無理をしなければ成り立つことはないのですが、こういう時は弱者が我慢が強いられますが、既に家づくりをされた方々の感想を聞けばそれがわかるかと思います。
例に住宅営業担当者のオハナシをしましたが、もちろんこれらは、相手が工務店も建築家でも同じ事が言えますが、契約までが役割の営業担当者よりは、契約後の引き渡しをするまでもお客さんとの接触機会も多いのですが、いずれも〝契約〟〝売上額〟〝粗利額〟という3つの目標があります。
またプロは、自分で得手・不得手なところもよく理解されていまして、つまり、彼らの営業トークや売り込みなどは、この段階ではさらりと聞き流して、これまでの実績や出された資料などを冷静に見るようにしてください。それが、相手がハウスメーカーであれ、建築家であれ、工務店であっても…です。
ですから、希望するイメージに近い家づくりをしている実例を見てはじめて、あなたのご家族にとって〝希望どおりにできるかも・・・〟という判断をして依頼するようにしてください。くれぐれもこれらの事例を全く見ないで、選ぶ際にホームページや雑誌媒体や広告物に書かれている言葉や工法や表面的な価格などだけで依頼先を選択したりするから、間違った道を進むことになるのでご注意くださいませ。
それらを冷静に判断したうえ、その適正であろう可能性のある会社と家づくりをはじめてからやっと〝相談〟と言えますが、これらの段階を踏まないで、はじめる家づくりの相談は、依頼者であるあなたがいくらそのつもりであっても、相手は〝商談〟であるということを忘れずに・・・
このページであなたにお伝えしたいことは、この最初の相談相手として、依頼先の選択の段階で間違いをしないようにして欲しいと願っており、これが、あなたとプロとのギャップを少しでも埋める方法です。
具体的な家づくりについてのご相談は・・・