第3の疑問 その建築条件付土地は、本当にお得なのか?
次に一般の方が買える土地は、3つあります。
1)建築条件付土地を買う
2)割高な土地を建築条件なしで買う
3)中古住宅【古家付】を買う
ここで意外と皆さんが対象外とされるのが、3)中古住宅を買うという方法です。
この中古住宅というのは、日本の場合、今の評価基準は木造であれば20-25年ほどで、家の価値は限りなく0(ゼロ)円に近づくという独特な考えの日本の不動産の評価。いわゆるこれまでのこの考えそのものがおかしいと言えるので、ようやく国もその動きがみられますが、ここがポイントで探してみれば、今ならいい中古住宅が見つかるかもしれません。

最近の実例をあげますと高槻の希望する校区で土地から探していたNさんは、希望地では土地に予算がとられ、建物の予算がかなり厳しくなるので購入出来たとしてもこの予算では建売または信頼できそうもないローコスト住宅しか無理かも…と。
エリアを変えることも検討していた矢先、中古住宅を推奨して質のいいものを探してみればいい建物が見つかるかも?とアドバイスをして希望する校区で探していたらいい物件を見つけられました。まだ使えるしメンテナンスをしっかりされていた建物の評価は、0円なので1000万ほどをかけて耐震補強もして、補助金も使えてローン控除も使えた成功事例もあります。
このような〝中古ながらにいい住宅〟というのは、まずこれまでの持ち主が丁寧なメンテナンスをされている家に多く見受けられ、これまでも一切何も手をかけない家と長く住み続けることを目的に丁寧にメンテナンスを続けてきた家では、明らかに“家の具合”が違います。
仮にその住宅を仕方なく建て替えるとしても、中古住宅付きの土地の場合、解体費用がプラスされますが、現在の住宅の大きさや器などから(その建物が違反でない限り)空間の大きさのイメージがつきやすく、門扉・車庫などの外構もそのまま使えることもあります。また、水道加入負担金も不要になるケースもあるかも・・・。(これは工事前に必ず確認が必要です)
また先ほどのようにこれまで住まれた築30年―40年の住まいを耐震補強をして大規模リフォームをされる方もおられますので、そんな事を考えれば、中古住宅も視野に入れることも考えられてはいかがですか?
他に土地を真剣に探し出すと皆さんが一番多いと感じるはずの1)の建築条件付の土地。これに関しては、よく理解した上で契約をしなければ、理想の場所にある土地だということだけで、急いで契約してしまうとほとんどのケースでトラブルとなり、夢のマイホームどころか一生の悩みの種になってしまうので注意を十分にしてほしいものです。
さて、少し余談になりますが、この建築条件付土地に関して私自身素朴に、独占禁止法に違反するのでは?と考えたことがあります。
いい場所にある土地を業界側が一般市場に流れる前に先におさえて、3ヶ月以内に建物も契約することを前提ですすめる。。。ということに関して、疑問を常々感じていましたが、色々とネットなどで調べていくと次のことをクリアすることで独占禁止法に引っかからないということがわかってきました。
1)当事者間〔土地売主と買主〕の自由意志により(従来は3ヶ月がほとんど)建物の建築工事請負契約が成立することを停止条件または解除条件として、土地売買契約をすること。
2)従来は建物の建築を請け負うことができるものは、土地の売主、またはその代理人に限られていましたが、建築請負業者に制限を設けず、当事者間の取り決めによるものとする。つまり 売主が指定する数社の中から選択や買主の自由選択などのパターンも、当事者間で取り決めができることになりました。
3)建築条件が成立しなかったときは、預り金、申込金その他の名目の如何か問わず、受領した金銭はすべて速やかに返還すること。※平成15年規則改正後
の以上3点です。(詳しくは、ネットのウィキペディアの建築条件付き土地取引などをご覧ください)
でも現実では、プランする上で土地に関する費用は請求されることはないようですが、プランづくりに関しての手数料や解約料として、いくらか請求されているというのもあるようですので皆さんはくれぐれも仮契約であっても、慎重に進めていただくよう心掛けてください。

同時に皆さんに知っておいてほしいことは、昔よく言われた〝青田売り〟というのは、禁止されているという事実であります。つまり、建築許可を受ける前に、その土地と建物売買や広告をおこなうことは原則禁止されているのです。
また土地の売買契約と建物請負契約とは、同時におこなうもの。つまり既にある程度のプランは完了しており、いつでも建築確認申請が出せる状態で土地販売の広告や契約をおこなうものであるということ。
これは、あらかじめ用意されているプランや設備で決まり、ほとんど購入者の選択の余地が少なく、プランなどに購入者の意思が反映されないという事実。期間に縛りがなくなっても、ほとんどは打ち合せ期間が、実質3ヶ月としていることが多く、それについて変更ができないのが実態のようです。
時折、建築条件付土地に関する広告チラシなどで参考建物プランが掲載されていて、建物込みの価格が表示されていることがありますが、これは、ほとんど売り建てのパターンが多いのです。
以前のお客さまもメールでご質問があった方は、
「建築条件付土地を見つけて相談したら仕様や色が変更できる程度ですと説明を受けましたが、これからつくるのにそんなものなのですか?」
ということでしたがこの対応は、まさしく建築条件付土地という名の売り建て(建て売り)です。
さて、その建築条件付土地に関して、ある程度理解できれば、次にその売主にまつわる業者の判定をぜひ冷静にしてほしいものです。
単純に建物の建築請負契約するのであれば、まずその会社が建築業の免許持っているかどうかです。もし建築業の免許をもっていなければ、何の責任もなく、どこかの会社(どこの会社が大きな問題)にまる投げで利益だけ頂戴するタイプといえるでしょう。
これらに関しては、住宅業界内ではリフォーム会社を含め建築業の免許を持っていてもまる投げするところがあリますから、何とも言えないのですが、特に丸投げする場合は、ある程度のプランや仕様や内装なども決まっているケースがきっと多いでしょう。

自由設計とか何とか言いながら、結局は、ほぼ建売。既に建っているか、まだこれから建てるかの差だけであったりします。見栄えだけする設備や建売独特のプランなどこれらに加えて、売値優先の価格設定などのことを考えるとあまり大きなことを期待するほうがそもそも無理かもしれません。
その建築条件付の場合は、まず土地ありき・・・なのですが、できれば施工する会社の工事中の現場や仕上げ、仕様モデルの建物や家に対する考え方なども、実際に見たり、調べたりするべきと言えます。
もしこれが建て替えの場合であれば、あなたなら慎重に家づくりをする会社を選ぶことでしょう。ずっと長く暮らしていく住宅が本当に快適で安心して暮らせる家なのかどうか?土地だけに惑わされず、是非きっちり家づくりについてもお考えください。
不動産購入をする際には、家づくりをする上でのアドバイスができる方と一緒に行けばなおさらよくわかるでしょう。
建て替えのパートナー検討も同じなのですが、進めていく上で建物に関してどれだけの実績と対応力があるのか?という判断基準を見失いがちになるので、是非冷静に見極めたうえで、契約をするようにしてください。でなければ、対応や施工力などの悪さで後悔したり、トラブルの要因になることがあります。
この業界の方々は、建てる側、売る側の意識としては、できていないことを“できない”とはいえない方々が多いもので、もちろんこの “できる”と“できている”はちがいますのでしっかりとした認識を。
またあなたご自身がしっかりしたマネー&ライフプランをもち、希望している土地が建築条件付であっても、それが建売なのか?こだわりの家が建てることができるのか?あなたの希望に対応できるだけの相応しい家づくりの依頼先なのか?それらもあなたご自身で見極めていかなければなりません。
もちろん!あなたが、もしそれほどこだわりもない場合でも、念のためにその業者のこれまでの実例や現場など確認した上で決めるというなら前者の建売タイプでもよいと思われます。
もう一点。あなたの大切な資金計画ですが、建築条件付土地をご購入した際、残代金支払いは、いったいどのようにお考えされているのでしょうか?
土地の費用のみ既に用意されている場合や残金含めて自己資金や住宅ローンで用意して、建築請負契約後にできるだけ払うというお考えであれば、ご希望通りにあなたのこだわる家づくりの可能性が高まり、ハウスメーカーや工務店が用意する土地でも十分可能と思われます。
しかし、あなたがまとまった資金もなく、それこそ極端にいえば、ほぼ全額ローンということであったり、建物竣工時に建築費と一緒につなぎ融資をつかって、一括払いを希望している場合であるならば、まさしく建売同様の資金決済を希望されているので、おそらくこれらの場合では、ほとんど建売タイプ(分譲含む)でしか対応できず、若干の変更や追加などで対応してもらうしかないでしょう。
住宅会社も、あなたの資金を全額立て替えなければいけない場合は、資金繰りが大変であるとご理解いただけると思いますので、一度、住宅会社や銀行などへご相談されることをお勧めします。中には今有利なローンなどが用意されているところもありますので、銀行も数社で検討されることをお勧めします。なおこれらについては、各銀行の各支店の窓口の担当者によって対応が全然違いますのでご注意ください。
でもこの建売タイプは、売主と建て主である方の家づくりへの思いのギャップや対応の不備により、不満足になる可能性が高いということも注意しなければなりません。

こうしてまとめてみると、どうせ建てるなら、自分なりのこだわりの家を建てたいという方は、基本的に建築条件付土地の実質建売タイプでは、余程理想の会社でなければ無理である!と思ったほうがいいということになります。
現実には、土地もなくて建物を注文住宅で建てるご予定の方は、ある程度の資金をご用意されておられます。しかし、その条件をつけている売主である業者が建てた家をあなたが気に入っているという場合であるなら別ですが、本当に全く資金がない方にとって、建築条件付の建売タイプであれば、土地&建物一体で買いやすいというメリットもあります。建物完成時に一括払いでOK ということから資金計画は非常に楽です。そんな意味からも土地からお探しのあなたにとっては、何を優先するのか?それが大きなポイントとなります。
これからの時代、建築条件付の土地でも売主が、どれだけの実績を持った建築業者が建てるのか?という情報をできるだけ開示をしてほしいと願います。ひとつの土地で情報開示された3社から選択でき、保障・保険もしっかり用意された建築条件付の土地。こういう形が、今後メインになることを願います。
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