純粋に土地について考える
ここでは土地について、その他の大事な点を何点かお話します。
◆ 地盤・基礎について

地盤や基礎については、できるだけ確認してチェックをするようにしてください。特に中古住宅の場合は、地盤や基礎が悪いまま買えば、ほとんどお金を捨てることになりかねます。あの阪神淡路大震災でも、家はしっかりしていても、足元がすくわれている映像をよく目にしたと思います。
しっかり杭を打ちさえすれば・・・とありますが、打たなくてもできるのであれば、それに越したことはないのです。でも、精神的に不安になるぐらいなら、地盤に心配な家は、避けるのが賢明であるというぐらいの考えのほうがいいと思います。いずれにしても調査すればわかります。
地盤などに関しては、これからの時代では明確に表示しなければならない時が来ることになるでしょう。最近では、浸水が多いので水位などのチェックも必要と言えます。
◆ 土地が安い理由は何かある
まず環境。いまは、まだ何もないが、近くに幹線道路やパチンコ屋ができるだけで、土地が急激に安くなることなどもあります。逆もしかり。
また道路と敷地との高低差が大きい土地を買うといざ建てる際には、建築資材の小運搬費用であったり、クレーンや人が運ぶのも費用がかかりますが、売れさえすればいい・・・と思っている不動産屋などは、そこまで説明してくれません。彼らは「考えればわかるだろう」としか思っていないかもしれません。
時には、中古住宅で現在の建物が違反建築で、建て替えても小さくなったり建築不可ということもあったりするので十分に購入の際には御検討してください。

また坂が多い土地などは、将来自宅と駅の往復が必ず苦になりますしゴーストタウン化しないかが心配となります。年をとってから体力的に追いつきません。徐々に家から出なくなるし、家族の誰かによる運転かタクシーになったりします。
道路幅もほどほどでなければ、車の行き来が増え、車の音と振動で、静かな環境ではなくなる。狭い通路の奥に広い土地なども問題で、建築可能でも搬入経路として、その幅は少なくとも3メートルは、ほしいものです。
基礎に関しても、ベタ基礎にしたら大丈夫という単純な発想は、是非避けてほしいです。今では、地盤調査の報告書をつけてもらうのが次第に常識になりつつあります。くれぐれも以前に家が建っていたから、大丈夫!という安易な考えはやめてください。
前回建っていた家が必ず調査をしていたとは限りません。その地盤調査料としては、4〜5万円程度ですし、これからの時代は中古であってもできるだけすべきで全て地盤調査をしてから建てるように建て主も意識すべきですが、どこか1点が、沈みはじめると家のバランスを崩し、外壁にはヒビや、窓やドアの開閉がむずかしくなりますが、調査もしないで対策もしない結果、家を建てた業者に文句を言っても、どうにもならないのが現実であります。
その調査としては、4角と中心1箇所の計5箇所以上の調査をしたうえで、必ず地盤調査報告書を見せていただき、どのように対応したのかわかるように説明していただいてください。
建売では、なぜか不思議と地盤調査をした結果、こういう対策もしていますという会社は少ないようです。注文住宅も建売ももちろん同じ家です。建売でも、そこの部分は必ずチェックしてくださいね。
もしお子さんがいるならば、土地購入の際に意識してもらいたいのは、子供の登校時間に実際に見に行くこともオススメします。住みやすい土地かどうか、地域ぐるみでいい意味での声かけをして、元気に挨拶しているかどうかも、意識して、見に行かれてはいかがでしょうか?
また将来のためにも優良な公立学校がある地域なのか?高い私立より優良な公立のほうが年間100万以上は浮くことになりますのでそのあたりも考慮するのか?夫婦共働きなら幼稚園や病院などのインフラもチェックが必要となるでしょう。
実際購入される土地のご近所の方に話を聞くことも、貴重な情報源となることもあるでしょう。その昔、沼地であったとか活断層の上であるなど予想外のお話を聞けるかもしれません。しり込みせずに積極的に聞きましょう。恥ずかしいことなどありません。それだけの額の買い物をされるのです。そんな時は、もちろん悪い情報を隠そうとする不動産屋とは、別に行動したほうがよいです。
さらにもう少し具体的には、水道工事が必要な土地、本管から敷地内に出ている水道管の径の太さが細い場合は入れ替える工事が必要となり、ある程度の費用も覚悟しなければなりません。ですので、中古住宅の築30年以上の建て替えでも注意が必要となります。
土地が安い物件で、分譲にたどり着く事があります。基本的に同じ場所で、何十棟も建てる家ならプランの手間も省け、資材も大量コストで安くできるというのは、それこそ100円ショップと同じ考えでひとつであれば、コスト的に無理でも、大量につくることは可能となるものです。
でも、懸念してしまうのは、価格が安いメリットのかわりにそのプランに合わせた生活を送ることになり、しかも、見えなくなる部分や品質・性能などは、建てる業者しか知らない、買う側にはわからないところが重要なポイントとなります。
もちろん選んで買うことはできますが、できれば工事中の写真など見せてもらうようにしてください。設計図書がないことを言い逃れするような会社は、やめるべきです。

購入時にいかに納得するかも、トラブルを防ぐための大きな要因であります。土地の条件で意外なのが、花粉症の影響で少し前までは、いいイメージだった杉の近くは、敬遠されたりすることは今ではあるようです。それだけではなく、汚染物質が多い化学薬品メーカーの工場跡地だったり、その廃棄物を埋めたところであったりするケースも・・・。
平日に発生する騒音や悪臭であったり、高圧線の近くは、できるだけ買わないほうがいいといわれています。ヨーロッパでは、パソコンや携帯、IHコンロの電磁波と同様に社会問題となっているようです。その電磁波を考えるとやはり安くても、買わないのがいいだろうという考えもあります。
それでも・・・という人は、電磁波の測定をしてから判断をする事をオススメします。アメリカでは、高圧線の下の土地は、電力会社が買い取り、作物もつくられていないらしいです。(でも温暖化になぜ協力しない国なのかは不思議です)
もちろん近隣に大気汚染施設やごみ処理場や原子力発電所などの近くにあったり、問題外なのは、市街化調整区域。調整しているので、家を建てるのは困難であったりします。私の知り合いは、危うく売りつけられるところでした。
更地で家を計画しているのであれば、防火地域、建ぺい率(土地の建築床面積に対しての制限)容積率(土地の容積に対しての制限)のほかに、土地の法的な線、たとえば、道路からの斜線制限や隣の境界線からの斜線制限、北側境界線からの斜線制限など、土地は平面で考えないで、ボリュームで考えるように心がけてください。
この土地 ほしいなぁ・・・ と考える前に不動産会社からの情報を聞き、疑問点や不明点があれば、自らでも役所へ行き、その土地計画について聞いたりしてでも、調査しましょう。
理想は、この土地が将来金額が上がるのか、下がるのか、住環境は悪くならないか、ある程度予測し、有望な土地を選ぶのが理想なのですが、こればかりは誰にもわかりませんが基本は駅近となるでしょう。
だから相場勘を養うためには、価格で参考になる国が出した「公示価格」と周辺で実際に取引された「売買価格」を参考にするとよいでしょう。
実際には、土地に関してプラスの面とマイナスの面の両面を考えて、例えば公示価格が50万 購入予定の近くが70万で売れた場合、その目安は、近くの土地より日当たりがよいなら高く売れるし、隣が墓だから60万?となったりします。
また近くに取引実績がないと計算が成り立たないのは事実ですが、売り手が多く、買い手が少ないと値段は下がり、逆だと値段は上がるという理屈です。
もう一点、面白い考え方をお伝えしましょう。わかりやすい数字として、仮に土地が坪20坪 坪単価100万、価格2000万、建ぺい率80%であった場合は、建築可能面積は、16坪。大雑把に、3階建てである場合、45坪の家で坪単価65万(も出せば、ほとんどの家はお釣りはきます)の建築費として2925万 土地・建物で 4925万円 となります。
さて、その家を賃貸するとして、家賃いくらぐらいもらえるのか?を考えてみることにしましょう。
例えば、仮に15万は可能とすると年間では180万となり、それを土地建物金額である4925万で割ると =0.036。つまり、3.6%という「年の利回り」。これ投資として考えると低いでしょうか?
この理屈で少しでも引き上げたいとなれば、17万の家賃で年間204万 投資金額は2000万+建築費60万で2700万とすると 計4700万 それでも4.3%。経費など考え、銀行からの金利が4%近くであれば、もちろん商売になりません。でも、いまの時代銀行に預けるよりは、いいかも…という考えができます。

実際、土地を探しはじめると肌で感じるのが、建築条件付の土地が、普通の土地を買うより、安い価格なのでは?と感じる事があるかと思いますが、これは以前、建築条件付の販売されていた非常に好ましくない経営者の方から直接聞いた話なのですが、〝土地〟を安く見せて買う人をたくさん集めたいという考えで、建物に金額を上乗せ帳尻が合うようになっているようです。
もちろん建築条件付全てがそうではなくて、誠意ある対応されている方もおられるとは思いますが、くれぐれも単なる土地だけの価格のみの割安感にあなたのご家族だけは、決して騙されないでほしいものです。
建築条件付というのは、気にいる、気にいらないは関係なく、基本的に家を建てる会社は選べないものであるという事をお忘れなく。
中には、その建築条件をはずすことができても、上乗せ価格が果たして良心的かどうかも冷静に考えるべきです。ほとんどの会社は、家を建てなくても同じだけの利益を取ることを考えるようです。
そんな事を考えると融資が可能であれば、やはり普通の土地を買って経済的な家づくりをするほうが、結局よかったと考えるべきで、それととにかく素人目でもいいので、買おうかな?と思っている家があれば、工事中の現場を見に行って何かを感じることです。
もちろん相場より安く買えるのは、なんらかのリスクがあると考えるべきです。競売物件などがいい例です。結果的に何もないかもしれませんが、何かあるかもしれません。いまの時代、うまい話や美味しい話などはもうないものだ!と考えるようにしましょう。
この〝不動産を買う前にもっと不動産屋を知ろう!〟
を最初から読みたいのであれば 資料請求を!!