土地と建物のそれぞれの予算についての考え方
家づくりをお考えのあなたは土地がある建て替えですか?土地から探す家づくりですか?後者である場合、あなたの家づくりに関しての支払いが、自己資金と住宅ローンで借りる事ができる総予算の目途がつき、その予算が仮に土地と建物で3000万であれば、その総予算の配分として大雑把に振り分けて考えてみれば
・建物建設費用 1500万 土地価格 1500万
・建物建設費用 2000万 土地価格 1000万
・建物建設費用 2500万 土地価格 500万
となりますが、まずはここでこの建物建設費用に関して、あなたのご予算とプロの建物建設費用の認識の違いにご注意ください。消費者であるあなたは、もちろん家を建てるために必要な設計費用や外構工事、前の道路からの給排水や電気などの引込工事や地盤調査やその改良など諸経費を含んでの予算かと思いますが、そんな事を考えるとこの1500万ではかなり厳しいことは、素人でもある程度予想できるかと思います。
では、シンプルに計算してみましょう!まず消費税(参考:8%換算)を考えると残りは1388万となり、外構工事として50万の予算をとり、照明器具に30万、外部引込工事などに100万、さらに古家がある場合、その解体が必要であれば100万、地盤改良に50万。クーラーなどに35万。設計図書や確認申請などに50万などと大雑把にこれらを考えても約400万の費用が必要となりますが、いかがですか?
これらを含めた額として建て主であるあなたは、考えていたのではないでしょうか?
もちろん!これらはザックリの概算ですのでいくらかのお釣りがくるかもしれませんし、これだけでは全然足らないかもしれません。その検討している土地の立地条件なども大いに影響するところでありますが、これらの額(予算)をのぞいて残りは、1000万ちょっとです。屋根や基礎を残す大規模リフォームですら30坪なくても1000万という額を超える事もあるので、家づくりの発想を相当変えないことには、極めて無理があることは予測できるかと思います。
となれば、総額3000万の予算となれば、建物予算2000万以上となり、土地を1000万以下であれば、その実現の可能性がかなり高くなりますが、場所にもよりますが、この土地1000万以下であなたの希望地でどこかありそうですか?という検討になります。
仮に大阪市内で希望する場所が坪単価100万であれば、10坪・・・これどう考えても、計画そのものに無理があります。というのは、建蔽率が60%であれば、建坪6坪。階段で1坪、お風呂脱衣で2坪、残り3坪程度で玄関を含めその広さを確保しなければいけませんので…。
しかし、その土地が20坪が必要となれば、坪単価50万円となるので、この単価では、大阪市内などの都会では厳しい坪価格であることはご理解いただけるかと思いますが、これからの空き家が増え続けることを考えると市内でも先々あり得る時代となるかもしれません。
上には含みませんでしたが、その他には不動産会社に支払う手数料も、別に必要となりますので、住宅ローンを組むなら手数料や登記などの額なども考慮しなければいけません。
建物は、2000万という額を意識することにより、優先順位をつけて希望に沿って質を落とさず、できるだけ〝無駄・無理・無茶をなくす家づくり〟をすれば、規模や仕様によっては、お釣りさえ出てくる可能性はあります。誰しも性能などを落とさなければ、家の価格は、2000万より1500万に近いほうがいいわけですから・・・。
もちろん!ちょっとした新築マンション並みの費用と同じように土地+建物の予算として4000万として土地1500−2000万として考えれば、夢はさらに現実的に近付いてきていることがわかるかと思います。
このようにしてみるとマンションと戸建ての違いは、やはり資産としても魅力的なその土地価格が予算的に厳しくなってきますので、この基本的な感覚だけでもまず覚えてください。
〝でも、近くの建売分譲って、かなり安い価格で売られてますが…〟とそんな声が聞こえてきそうですが、ここで注文住宅と分譲の違いをお伝えします。
まず建売分譲タイプは、地主・売主から土地情報を仕入れたら、いい場所であれば、大きな利益が取れるので、自社が買い取るか、建築条件付きにして権利をもって販売する事をしますが、この場合は、土地については基本的に売主と交渉をして安く仕入れる事がコツとなりますので、相続絡みで売り急いでいる売主などは、周辺の相場より低い価格で売っているケースも多いようです。
また大きな敷地で多区画の分譲などの場合は、その大きな敷地をできるだけキャッシュで安く買って(仕入れて)区画整理して分譲しているので1戸あたりの土地価格が周辺の土地よりも安くなっていると予測できますので、まずはこれが基本で土地を安く仕入れています。
そのような土地に建てる建物については、皆さんが総額の建売分譲価格を見た時に土地相場価格を考慮して計算したら〝上物(建物)の価格が安い!〟と感じる事もあるでしょう。それを見てあなたは〝これは、お買い得!〟と感じるでしょうか?昭和の高度成長期で住宅不足であった時代ならそう感じるかもしれませんが、今の時代では、なんかおかしい…なんか怖い…それが正直なご感想ではないかと思いますが、注文住宅の感覚で考えれば〝なぜ?こんなに安いのだろう?〟と皆さんが感じるように私も同じように感じます。
建売分譲会社は、ボランティア事業ではなく儲かっているからやり続けている事ですし、その工事をしている工務店も事業として成り立たせて多少なりとも利益をとっているはずで、しかも不動産会社なら土地だけを仲介して仲介手数料だけでいいのに投資をして分譲したり、建築条件をつけたりする事はきっと旨味があるでしょうし、だからこそ怪しいと言えるのです。
ですから、これからの時代は、建築条件付きでも建売分譲を買うときでも、その家づくりの資料や施工する工務店、分譲する会社の姿勢などをよく調べて、保証や検査も必ずご確認するようにして仮に求められた場合は、完成前工事中の支払するお金もくれぐれも払いすぎないようにご注意してください。その会社が、社内検査を実施しています!や会社が保証します!といわれても、その会社そのものが倒産すれば意味がない事なので信用性はないと判断して慎重に購入するようにしてください。
土地を仕入れる
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その資金が必要
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売れなければ未回収
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資金繰り・経営悪化
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倒産
借金して土地を購入して分譲をしている会社ほど大きな資金が動くので、くれぐれも慎重に進めるようにしてください。特に少子高齢化で人口減少空き家が増え続けているので、家が完成していないのに言われるままお金を渡しすぎるのは、あまりにも無知で危険といえます。